海外PRで失敗しないために知っておきたいタブーとは
グローバル化が進むなか、企業活動の舞台は国内にとどまらず、世界へと広がっています。こうした中、海外市場に向けて企業ブランドや製品・サービスの認知拡大、販売促進を図る「海外PR」に取り組む企業も増えています。 一方で、海外PRは日本国内と同じ感覚で進めても成果につながるとは限りません。言語だけでなく、文化や商習慣、メディアの価値観が国や地域によって大きく異なるためです。 実際、十分な準備や理解がないまま進めたことで、思うような結果を得られずに終わるケースを耳にします。 今回は、海外PRで失敗しやすい代表的な“タブー”を取り上げながら、成果につなげるために押さえておきたい考え方を解説します。
海外PRとは? 日本のPRとの違い
海外PRは、日本企業がグローバル市場でブランドを確立し、企業や製品・サービスの認知拡大、販売促進を図るうえで有効な手法です。国内市場の成熟が進むなか、その重要性は今後ますます高まっていくと考えられます。
ただ、「海外PRは国内におけるPR活動とは大きく異なる」という点で注意が必要です。言語が異なるだけでなく、文化や商習慣、メディアの関心事も国や地域によって大きく異なるためです。
日本と同じ方法を行ったとしても、期待した効果につながらないことがあります。
実際に、自社だけで取り組もうとして進め方がわからず十分な成果を得られなかったり、海外の代理店に依頼したものの、コミュニケーションがうまくいかずに頓挫したというケースは少なくありません。
日本と海外では言語はもちろん、習慣や文化も大きく異なります。そのため海外PRでは、日本と同じ方法が通じず、知見やノウハウがとても重要になります。それを熟知したネイティブの視点がなければ成果につながりません。当社は多国籍の人材が在籍し、社外にも多数のパートナーがいるため、海外PRに強みがあります。
海外PRの第一歩はプレスリリース配信
海外PRはさまざまな方法やコンテンツがありますが、最も取り組みやすい一歩目は、プレスリリースの配信です。
海外PRと聞くと、“海外メディアへの露出なんてハードルが高すぎる”、“何から手をつければいいのか見当もつかない”と、二の足を踏んでしまう企業も少なくありません。しかし、自社製品やサービスの魅力やポイントを伝えるプレスリリースはシンプルなので、海外PRや海外マーケティングの第一歩としては最適だと思います。

海外PRで失敗しやすいタブーとは
海外PRには、前提を理解しないまま進めることで陥りやすい“タブー”があります。
国内PRと同じ感覚で進めた結果、思うような成果につながらないといった事態が起こりやすくなるのです。
その1つは「翻訳のタブー」です。
国内用に作成したプレスリリースの原稿をそのまま英語に翻訳して配信するという失敗例は多くあります。近年は翻訳業者に依頼しなくても、AIを活用して簡単に翻訳できるようになり、リリース作成のハードルは下がっています。
しかしながら、日本向けに作られた内容をそのまま海外に持ち込んでも、成果が出るとはかぎりません。 海外PRを成功させるには、現地に合わせたローカライズが欠かせません。それは単に現地の言葉に訳すということではなく、現地のPRや広報、メディアの特性を理解したネイティブ人材が全体を見て、調整することです。現地メディアやジャーナリストにきちんと“刺さる”ように設計して作ることが大切です。
日本のプレスリリースと海外で求められるプレスリリースは明確に異なります。日本では、製品やサービスの概要、説明からはじまります。その後に背景や特徴、詳細情報が続く構成が一般的です。
一方、海外ではストーリーが重視されます。ストーリーがなければ記者の目を引けず、報道にもつながりにくいと考えられています。
カーツメディアワークスが重視しているのは、冒頭でいきなり製品やサービスの説明をするのではなく、まず「背景」を提示する構成です。
なぜ、その製品やサービスが、その国で必要とされているのか、そこにどのような課題があるのか。その課題に対してどのような解決策が求められているのか。そうした文脈を丁寧に掘り下げたうえで、課題を解決する存在として生まれた製品やサービスとして位置づけていきます。
PRは広告ではありません。そのため、“自社がこの商品を出した”ではなく、“世の中のこの課題を解決するための製品が生まれた”という構成のほうがメディアにも受け止められやすく取り上げられやすくなります。特に海外PRではその傾向が強く、自社発信を前面に出すよりも、世の中に望まれているものを主体にしたほうが、効果につながりやすいのです。
海外PRで重要な「Why Now?」とは
海外PRにおいて、特に意識すべき考え方のひとつが「Why Now?(なぜ今、その国でそれが必要なのか)」です。
カーツメディアワークスは、クライアントから「プレスリリースの原稿を作成したので、翻訳して配信してほしい」と依頼を受けた場合でも、そのまま翻訳して配信することはありません。
海外PRを熟知したネイティブスタッフを中心とした体制で原稿をチェックし、最適な内容になっていなければ、現地に合わせたローカライズ、修正やアレンジを行います。
「残念ながら、原稿が広告になってしまっているケースも多くあります。LPのテキストをそのままリリースに転載するケースもあり、それでは配信しても効果は出にくいです。メディアに記事として掲載されるには、一企業の利益ではなく、社会性や公共性が求められます。企業は自社製品やサービスの良さを伝えたくなり、どうしても広告色が強くなりがちなので、そこはしっかり効果に結びつくようにディレクションしていく必要があります」
Why Now?(なぜ今、その国でそれが必要か)——海外PRにおいて特に意識すべきポイントは、この社会的視点です。
自社の言いたいことを一方的に発信するのではなく、メディアが世の中に伝える必要がある事として捉えてもらうためには、それを逆算した設計をしなければなりません。カーツメディアワークスでは現地の社会情勢や課題を意識してつくりこんでいきます。
当社がリリース配信だけでなく海外PR全般を担う場合は、その領域や課題に詳しい記者やジャーナリストを絞り込み、リサーチを行い、興味を持ってもらえるような内容に設計し、バイネームで情報を送ります。広く配信するプレスリリースでそれをすることは難しいですが、考え方は同様で、日本とは異なる環境や状況にいる相手が何を求めているかを考えて配信することが重要です。
海外向けプレスリリース配信を支援する「グローバルPRワイヤー」
グローバルPRワイヤーは、海外市場への情報発信をワンストップで支援するサービスです。
ここまで見てきたように、海外PRでは、現地理解とローカライズ、そして社会的な文脈を踏まえた設計が成果を左右します。
こうした考え方をもとに、カーツメディアワークスでは、海外向けプレスリリースの原稿作成から配信までを支援する独自のプラットフォーム「グローバルPRワイヤー」を展開しています。
グローバルPRワイヤーは売上が年々増加しているので、海外PRのニーズの高まりを実感しています。“海外PRをしたいけれど、その知見やノウハウがないのでお願いしたい”という依頼が大半です。利用企業の多くにリピートいただいていることからも、効果を実感していただけていると感じています。
最初にヒアリングを通じて、目的とターゲット国を整理し、独自の豊富なメディアリストを基に最適なプランと見積りを提示します。
そのプレスリリースは現地時間や慣習を踏まえて世界中のジャーナリストに配信され、その後は掲載状況をモニタリングしてレポート化します。
ターゲットはほぼ全世界に対応しています。メインは英語圏で、アメリカ、イギリス、カナダ、そしてアジア圏(香港、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア)などに対応しています。そのほかの言語や国に対しては外部パートナーと連携した上で配信することが可能です。
「海外PRのタブー」は他にも多数存在します。
後編ではその他のタブーを解説するとともに、簡単にできる「海外PRを成功させるセルフチェックリスト」を紹介します。
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