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海外向けプレスリリース完全ガイド|掲載獲得を成功させる実践方法

世界12カ国、約3万人のジャーナリストへ直送配信網
海外への情報発信を低コスト×高精度で実現
海外向けプレスリリース配信
サービス概要資料

はじめに

グローバル市場への展開を検討している企業にとって、海外向けプレスリリースは重要な広報戦略の一つです。しかし「何から始めればよいのか分からない」「国内との違いが不明」といった課題を抱える広報担当者は多いでしょう。

本記事では、海外向けプレスリリースの基本概念から実践的な配信方法、成功事例まで体系的に解説します。海外メディアに掲載されるための具体的なノウハウを習得し、グローバル展開の足がかりとして活用してください。

海外向けプレスリリースの基本

プレスリリースとは何か

海外向けプレスリリースは、海外のメディアや報道関係者に向けて発信する企業の公式発表文書です。新製品発表、業務提携、海外進出、財務情報など、企業活動を現地言語で発信します。

重要なのは、単純な翻訳ではなく、配信先の国や地域の文化的背景、報道慣習、読者ニーズに合わせたローカライゼーションが必要であることです。現地の価値観や表現方法を理解し、読者に響く内容に調整することで、メディア掲載の可能性が大幅に向上します。

海外プレスリリースの効果とは

海外向けプレスリリース配信には、以下の3つの重要なメリットがあります。

1. 現地メディアへの報道獲得による事業推進効果

当然のことですが、現地メディア、担当者へのプレスリリース配信によりメディアへの掲載や放映を獲得することにつながります。逆に発信しなければ奇跡でも起きない限り取り上げてもらえません。

現地メディアに掲載・放映されれば、認知され、海外事業展開の追い風となります。新製品の販売促進、取引開始時の信頼感向上、場合によっては採用活動にプラス効果が期待できます。特に有名メディアへ取材されれば、現地での信頼度が高まり、ビジネス展開がスムーズに進みます。

2. 圧倒的なリーチ拡大効果 

インターネット上で使用される言語の54.4%は英語です。英語をはじめとする多言語でのプレスリリース配信により、一度報道されればリーチが大幅に拡大します。

グローバル市場での情報発信力強化には、プレスリリースやニュースレターの配信は必須といえるでしょう。

3. 国内メディアでの二次利用価値 

海外メディアで報道されれば国内での二次報道ということにもつながります。海外展開・国際的評価の印象を強く与え、営業活動にもプラス効果をもたらします。報道機関という第三者による客観的評価として信頼感向上にも寄与します。

またSNSで投稿されるコンテンツのうちニュースのシェアをしたことがあるユーザーは90%以上にも達します。つまり、報道されればSNSでもオーガニックに波及していくのです。

配信方法の選択肢と特徴

海外向けプレスリリース配信には、主に3つの方法があります。それぞれの特徴を理解し、自社の状況に最適な方法を選択することが重要です。

1. プレスリリース配信サービスの活用

最も現実的で効果的な選択肢が配信サービスの活用です。専門性と効率性を兼ね備えた方法として多くの企業が採用しています。

配信サービスの主な特徴は以下の通りです:

  • 豊富な海外メディアリスト:各国の主要メディアとのネットワーク
  • 翻訳サービス:専門翻訳者による適切なローカライゼーション
  • 多数のWeb媒体への転載機能:オンライン報道でのプレスリリース露出拡大
  • 専門スタッフによるサポート:配信戦略から効果測定まで一貫支援

当社のGlobal PR Wireの費用は5万円台からスタートでき、北米、イギリス、オーストラリア、アジアなどへ配信が可能です。また世界最大のPR Newswireの日本パートナーでもあり、EU、中東、南米、アフリカ含めて、全世界を対象としてメディアに情報発信することが可能です。海外メディアへのアプローチと多数のWeb媒体への転載を考慮すると、プレスリリース配信サービスを活用することはコストパフォーマンスが高いといえます。

2. 自力での海外メディア調査と配信

手間と時間はかかりますが、より確実に自社ニュースに興味を持つ媒体・記者を選定できるメリットがあります。

海外メディアへの効果的なアプローチ方法として、SNS(特にX【旧Twitter】)での記者への直接アプローチが有効です。記者の普段の発信内容を確認し、自社ニュースとの関連性を見極めてからコンタクトを取ることで、成功率が向上します。

継続的な関係構築が可能で配信コストも削減できますが、メディア調査や翻訳、配信作業などすべてを自社で行う必要があります。

3. 現地社員による広報活動および現地PR会社へ依頼

現地に配属されている社員が広報役割を担う方法です。言語能力の高い社員が広報担当者となれば、現地メディア関係者との円滑なコミュニケーションが可能です。

ただし現地社員は本業で多忙な場合が多いため、プレスリリース作成やメディアリスト作成は現地PR会社に依頼することも想定しておいてください。北米の場合、PR会社によって異なりますが月額100万円〜200万円が相場です。現地メディアのプロたちのリレーションとスキルを活用して、現地カルチャーに合わせたPR活動を実施するなら必要なコストかもしれません。

当社カーツメディアワークスは、北米、アジア、EUなどの信頼できるPR会社とネットワークを構築しています。現地PR会社の活用をご希望の際は、お気軽にご相談ください。

効果的なプレスリリース作成の原則

基本的な海外向けプレスリリースの考え方とは

海外向けプレスリリース作成において最も重要なのは、現地の人が読んでも違和感のない自然な言語表現です。専門用語や業界特有の表現は、現地での一般的な表現に置き換える必要があります。

日本では未だにFAX配信文化が一部では残っていますが、海外では、プレスリリース配信にFAXを使用することはなく、メール配信が一般的です。メールの件名(プレスリリースのタイトル)のみで内容を判断されるため、タイトルの重要性が特に高くなります。

プレスリリース本文では序盤に最重要情報を記載し、リード文だけで全体内容が把握できる構成にします。記者の多忙さは世界共通であり、簡潔で明確な構成を心がけることが必要です。

エリア別戦略の重要性

各地域の文化的背景や価値観に合わせた情報設計が不可欠です。以下に主要地域の特徴を示します。

北米市場:データドリブンなアプローチ 

北米では「ファクトベース」な内容が極めて重視されます。企業の成長率、導入実績、業界ポジションなど客観的データの活用を出来るだけ盛り込みたいものです。グラフやインフォグラフィックを用いた視覚的表現も効果的です。

欧州市場:社会的責任への意識(環境配慮や人的資本、CSR視点) 

環境や社会への配慮意識が高く、CSRやESGへの取り組みが重視されます。サステナブルな素材使用、労働環境への配慮、カーボンフットプリント開示などが評価されます。

アジア市場:信頼性とストーリー性、ビジュアル重視 

SNSが急速に普及したため、報道メディアを直接見るよりSNSを通してニュースに接触する人のほうが多いというのが特徴です。日本製への信頼度は非常に高いので、製品の魅力をビジュアルで伝える、ストーリーで伝える、ことが重要です。

このビジュアル重視(写真、動画、インフォグラフィック)の傾向は当然アジアだけでなく、全世界共通の報道価値です。テキストだらけ、また会社ロゴだけを入れたプレスリリースはもはやNGと言ってもいいでしょう。

記者の目を引く、SNSで注目されることを目的としたプレスリリースを制作するように意識しましょう。

プレスリリースの基本的な構成要素

プレスリリースのフォーマットは日本を含めて全世界が共通の構成を利用しています。

効果的なプレスリリースには以下の要素が必要です:

  • タイトル:100ワード以内で簡潔にまとめる。
  • リード文:リード文を読めば全容がわかるように5W1H要素をいれること
  • ビジュアル:キーとなる写真やグラフィックを必ずいれること
  • 本文:逆三角形構造で重要度順に配置、段落ごとに一つの主要メッセージ
  • 企業情報:概要と事業内容、連絡先情報を明記

実践的な海外向けプレスリリース配信テクニック

メディアリレーション構築

継続的なメディア掲載実現のためには、メディアと長期的なリレーション構築が基盤となります。単発的な配信ではなく、出来れば毎月、最低でも四半期に一度はしっかりとプレスリリースやニュースレターで情報発信し関係性を深めることが重要です。

しかし、そのような頻度で新製品や新サービスが出るわけではありません。そこで下記のような「報道価値」のある情報をプレスリリースやニュースレターとして発信できるようにしていきましょう。

  • 定期的な業界情報提供:独自の市場分析や日本および現地業界動向の共有
  • 独自調査データ共有:アンケート調査を実施し有益なリサーチ結果の提供
  • 専門家見解の提供:時事問題やトレンドに対する専門的な分析、コメントを発信
  • 記者向け勉強会開催:オンライン会議を通じて、専門知識を活かした情報提供の場を作りコミュニケーションする

配信タイミングについて

現地の時間帯や報道サイクルを考慮したタイミングを考える必要があります。
以下に参考ですが、エリア別の配信時間をまとめています。

地域推奨曜日推奨時間避けるべき時期
北米火〜木曜日9:00-11:00(現地時間)感謝祭、年末年始
欧州火〜木曜日10:00-12:00(現地時間)8月、年末年始
アジア月〜金曜日10:00-14:00(現地時間)旧正月、大型連休

配信時の注意事項

表記ミスの防止 誤字脱字はもちろん、日本語名のローマ字表記にも注意が必要です。一度配信したものは訂正困難なため、複数人でのチェック体制構築が不可欠です。

配信言語の適切な選択 配信国の言語使用が一般的ですが、例外もあります。例えば香港やマレーシアではローカル言語のほうが良いですが、英語でもニュースがよく読まれます。

成功事例と効果測定

成功事例について

当社、カーツメディアワークスでは日本最大のGlobal PR Wireを運営しており、プレスリリース配信、掲載事例は1000件以上あります。その中でも、代表的な事例を3つほどピックアップしておきます。

事例1:東京都 および地方自治体

東京都のグローバル広報施策として、定期的に北米(英語圏)を中心としたプレスリリースを発信しています。都知事の外遊やインバウンド関連、スタートアップイベントなど多彩な情報を海外メディアに発信し、報道掲載を獲得しています。その他、日本各地の自治体の取り組みやインバウンド向け情報も多数実績があります。

事例2:大手電子機器メーカー企業の全世界のプレスリリース展開 

日本が誇る大手電子メーカーの北米・EU・ASEAN・南米・中東など含めた全世界向けプレスリリースを担当。PR Newswireでは高額になってしまうため、当社のGlobal PR Wireと併用しながらコストを抑えて、全世界配信を実現しています。

事例3:出版社およびアニメ制作・配給・ゲームメーカー企業

特定の企業というわけでなく、日本を代表するようなIP(漫画やアニメ)やゲームメーカーなど様々な企業の海外プレスリリース配信を担当。今やアニメ・漫画・ゲームは日本のお家芸であり、重要な輸出品目です。海外にも何十億人という規模のターゲットがいるため、新製品や新サービス、新キャンペーンの海外向け発信は欠かせない重要な広報施策といえるでしょう。

このように、今まで「他人事」だった海外向け広報や海外向けプレスリリースもグローバル時代およびデジタル時代では国境を超えて情報発信することが「当たり前の時代」となりました。縮小する国内市場だけではなく、ターゲットは全世界と捉え、積極的に情報発信していきましょう。

効果測定指標

広報活動およびプレスリリースの効果測定には定量・定性両面からのアプローチが重要です:

定量指標:

  • メディア掲載数(目標:月間20件以上)
  • 推定リーチ数(目標:100万人以上)
  • 自社Webサイト流入数(目標:前月比150%)
  • SNS言及数(目標:1,000件以上)

定性指標:

  • 記事や放映の論調分析
  • SNS上での論調や反響
  • 写真やビジュアル要素の引用について
  • 掲載位置や扱いの大きさ
  • 記者からのフィードバック

海外プレスリリースについてのまとめ

海外向けプレスリリースは、適切な知識と確実な実行により企業のグローバル展開を大きく推進する重要なツールであり、経営戦略としての施策といえます。

成功のためにもう一度ポイントを振り返っておきましょう。

  • 適切なローカライゼーション:文化的背景や現地ルールを考慮した文面や内容の調整
  • 配信タイミング・方法選択:海外専門のプレスリリース配信サービスの活用と現地に合わせた配信タイミング
  • 地域別戦略立案:各地域に合わせた情報発信戦略およびマーケティング戦略との連携
  • 継続的なリレーション構築:現地メディアとの長期的関係構築のために定期的な情報発信体制とフレームワークを整えること
  • 効果的測定と改善:定量・定性両面からの継続的改善

今後、AI時代となり、「信頼できる報道機関」への掲載や放送はますます重要になってきます。その報道掲載を獲得する最初の一歩は、海外向けプレスリリースであり、企業活動に欠かせない施策になっていくでしょう。海外向けプレスリリースで不明な点、疑問点などあれば海外向けプレスリリースのプロ集団であるカーツメディアワークスにお気軽に相談いただければと思います。

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著者

株式会社カーツメディアワークス
PR事業部 WIRE局リーダー

戸田 由生夫

実績

  • 日本企業の海外プレスリリース配信・広報マーケティングのサポートなど
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