PR会社とは?役割・メリット・選び方を徹底ガイド

PR会社の基本から効果的な活用法まで完全解説。企業規模別の活用事例、費用相場、選定ポイントを詳しく紹介。広報担当者必見のチェックリスト付き。成功事例から学ぶPR戦略の立て方も網羅
SNSさらには今日のようなAI時代において、企業の情報発信はかつてないほど重要になっています。
10年ほど前からSNSの普及により、企業と顧客の接点は爆発的に増加。しかし同時に、情報の海に埋もれてしまうリスクが増大しているのも事実です。
また近年は生成AIが普及し、Google検索だけでなく、ChatGPTやGeminiなどAIで情報を探索し、答えを見つけるというのもどんどん一般化しています。
そんな状況下で、PR会社の役割に新たに注目が集まっています。人気Webメディアのニュースやテレビ番組で取り上げられるとSNS投稿(UGC)も増え、さらには報道は信用に基づいたデータということでAIにも引用される(=AIOやLLMOなど呼ばれています)ことから私たち、カーツメディアワークスを含めてPR会社への需要はますます増えているのです。
このような状況において、PR会社の役割が再評価されています。人気のWebメディアやテレビ番組で取り上げられることでSNSでのUGC(User Generated Content)が増加し、さらに報道が信頼性の高い情報源としてAIに引用される(AIOやLLMOなど)ため、私たちカーツメディアワークスを含むPR会社への需要は一層高まっています。
そんな中、PR会社をお探しの皆さんは、こんな悩みを抱えていませんか?
- 「PR会社って具体的に何をしてくれるの?」
- 「社内の広報チームだけでは限界を感じている」
- 「費用対効果をどう測ればいいかわからない」
本記事では、PR会社の基本的な役割から、最新の業界トレンド、実践的な活用方法、成果を出すための具体的な指標まで、実例を交えながら解説します。
読み終える頃には、自社に最適なPRパートナーを見つけるための明確な基準と、すぐに実行可能なアクションプランが得られるはずです。
PR会社とは?基本概念をわかりやすく解説
PR会社の定義と役割
PR会社(広報代理店)とは、企業と社会をつなぐコミュニケーションの専門家集団です。
単なる情報発信ではなく、企業の価値を適切に伝え、ステークホルダーとの信頼関係を構築することが本質的な役割です、ただし、一般的にPR会社には「報道機関・メディアとコミュニケーションし、報道掲載・放送を実現していく」ことを期待しているはずです。
具体的にPR会社は、以下のようなサービスを提供しています。
- 広報戦略の構築・実行
- 戦略的広報計画の立案と実行
- コーポレートPRとマーケティングPRの戦略・実行
- マーケティング戦略との連携
- 広報目標の設定とKPI策定
- メディアリレーションズ
- 記者・編集者との関係構築
- プレスリリースの作成・配信
- 記者発表会・会見・プレスイベントの企画
- ストーリーテリング(コンセプト設計やストーリー構築)
- 企業の強みをニュースバリューに変換
- 社会的文脈に沿った情報発信
- ブランドストーリーの構築
- デジタルPR(SNSをメインとしてコミュニケーション戦略)
- SNS戦略の立案・実行
- インフルエンサーマーケティング
- オンラインレピュテーション管理
- 危機管理広報
- リスクコミュニケーション体制構築
- 炎上対応・メディアトレーニング
- ステークホルダー向け説明資料作成
- インターナルコミュニケーション
- 社内広報体制の構築
- 従業員エンゲージメント向上
- 採用ブランディング
広報戦略の構築・実行におけるメディアリレーションズ、ストーリーテリングは代表的なPR会社の業務です。中でも当社カーツメディアワークスは20年の実績があり、これら2点においては特にご好評いただいております。
PR会社と広告代理店との違い
PR会社と広告代理店はよく混同されがちですが、その違いを明確にしていきましょう。
一般的によく用いられる表が下記です。
項目 | PR会社 | 広告代理店 |
主な手法 | 編集記事・報道枠の獲得 | 広告枠の購入・制作 |
信頼性 | 第三者評価による高い信頼性 | 企業発信のメッセージ |
費用構造 | 月額リテイナー中心 | 媒体費+制作費 |
効果測定 | 露出の質・論調分析 | リーチ・インプレッション |
強み | 長期的な信頼構築 | 短期的な認知獲得 |
当社カーツメディアワークスは、PR会社ではありますが、デジタル広告の運用や広告枠の買付や広告クリエイティブの制作も行っており、一気通貫のコミュニケーション戦略を提供しています。
なぜ今、PR会社が重要なのか
前述しましたが、現代のビジネス環境において、PR会社の重要性は以下の観点から急速に高まっています:
1. 信頼性の確保(SNSやAI時代に最も重要)
- 第三者メディアによる報道は、広告の3〜7倍の説得力があるという調査結果
- 消費者の購買決定における口コミ・メディア情報の影響力増大
2. コスト効率の良さ
- 広告費に対して、編集記事や番組放送は無料
- 消費者は広告を見ているのではなく、記事や番組そのものを見て、聞いている
- 一度獲得した記事(または放送)は長期間にわたってアーカイブされ閲覧可能
3. 多面的な効果
- 顧客獲得だけでなく、採用・投資家・取引先への影響力がある
- ESG経営の文脈での企業価値向上
4. リスク管理
- SNS時代の炎上リスクへの備え
- 日頃からの関係構築、危機時の対応力など
当社は、「広報人材、人手不足への対応」も重要な役割であると考えています。広報スキルのある人材は市場に少なく、育成には時間とコストがかかるためです。そこで当社は、広報プロ人材を育成し、必要な時に必要な期間、皆様に提供することをモットーとしております。
PR会社の現状と業界動向

最新の市場データと成長トレンド
日本のPR市場は、デジタル化の進展、SNSの普及、消費者の情報収集行動の変化、そしてメディア環境の多様化によって大きな転換期を迎えています。理由はいくつかありますが、その代表的な要因は下記と言えるでしょう。
メディア環境の多様化
テレビ、新聞、雑誌といった伝統的なメディアに加え、ソーシャルメディアやオンラインニュースサイト、多様な専門メディア、オウンドメディア、動画プラットフォームなど、情報が伝わるチャネルが爆発的に増加しました。これにより、ターゲット層に合わせた最適なチャネル選定とコンテンツ戦略が不可欠になっています。
これらの要因が複合的に作用し、PR会社に求められる役割も、単なるプレスリリース発信代行やメディアリレーションから、戦略的なコミュニケーションプランニング、デジタルコンテンツ制作、SNSマーケティング、記者発表会やプレスイベントなど「情報体験」の提供など、より広範囲で専門的な知識とスキルが求められるようになっています。
ここで最新のPR市場規模をみてみましょう。
市場規模と成長率
- 国内PR市場規模:約1,710億円(2024年、前年比+6.4%、日本パブリックリレーションズ協会調べ)
- デジタルPR・SNS分析領域が市場成長を牽引
- グローバルPR・海外向け広報が拡大
SNSやデジタルPR領域が市場を牽引していますが、当社が注目しているトレンドは下記の3つです。
- データドリブンPR
- AI分析ツールによる効果測定の精緻化
- ソーシャルメディアのリアルタイムモニタリング
- データの見える化、データビジュアライゼーション、ダッシュボード
- パーパス起点のコミュニケーション
- ブランディングの要となるMVVP(ミッション・ビジョン・バリュー・パーパス)の再設計
- 「体験価値」を基本にした情報伝播設計
- 社会課題解決型のPRストーリーの重視
- グローバルPR・海外向け広報の需要拡大
- 海外向けプレスリリース配信の重要性
- 大企業だけではなく中小企業の海外展開が増加
- AIによる多言語・多文化対応のハードルが下がる
当社カーツメディアワークスでは、日本最大級の海外向けプレスリリース配信プラットフォーム「Global PR Wire」を運営し、TOYOTA、ソニーホンダモビリティ、Wacom、Yoji Yamamoto、東京都、各地方自治体など日本を代表する様々なジャンルの企業や自治体に活用していただいています。
企業が直面する広報課題の実態
共通の課題
現在、多くの企業広報が以下の課題に直面しています。
- 情報過多時代の埋没リスク
- メディア関係者1人あたり1日平均267通のプレスリリース受信
- 差別化されたストーリーの必要性
- 成果の可視化困難
- 経営層への説明に苦慮
- 投資対効果の定量化が難しい
- 人材・ノウハウ不足
- 広報専任者の不在(中小企業の約70%)
- メディアリレーションの属人化
また、企業規模別の課題は下記のとおりです。
スタートアップ・ベンチャー企業
- 限られた予算での効果最大化
- 知名度ゼロからのブランド構築
- 資金調達タイミングでの戦略的PR
中堅・地方企業
- 地域メディアとの関係構築
- 全国展開への足がかり作り
- BtoB企業の認知度向上
大企業・上場企業
- 部門間連携の複雑さ
- グローバル展開での一貫性確保
- レピュテーションリスクの管理
これらの課題に共通するのは、企業が社会との良好な関係を築き、持続的な成長を実現するために、戦略的かつ効果的な広報活動が不可欠であるということです。特にAIやSNSによる情報過多の現代において、自社の存在意義や価値を明確に伝え、信頼を構築していくことは、企業規模を問わず喫緊の課題と言えるでしょう。
カーツメディアワークスでは「情報体験」を大切にし、ニュースやプレスリリースなど単なる情報単体ではなく、「ワクワク」「ドキドキ」などリアルな体験価値およびエモーショナルな価値を提供できる情報伝播設計を大切にしています。
PR会社の効果的な活用方法
成功するPRプロジェクトの6つのステップ
効果的なPR活動は、戦略的なプロセスに基づいて「戦略PR」を進める必要があります。
ステップ1:目標設定とKPI策定
- 経営課題からの逆算
- SMART原則に基づく目標設定
- 定量・定性指標のバランス
ステップ2:ターゲット分析
- ステークホルダーマッピング
- メディア特性の理解
- 読者・視聴者ペルソナの明確化
ステップ3:ストーリー開発
- 独自性(Uniqueness)
- 社会性(Social Impact)
- 時事性(Timeliness)
- この3要素を組み合わせたニュースバリューの創出
ステップ4:コンテンツ制作
- プレスリリース
- ファクトブック
- ビジュアルコンテンツ(インフォグラフィック等)
- 動画・音声コンテンツ
ステップ5:メディアアプローチ
- 記者個別のアプローチ戦略
- エクスクルーシブ(独占)提供の検討
- フォローアップのタイミング
ステップ6:効果測定と改善
- 定期的なモニタリング
- PDCAサイクルの実施
- 次回施策への学習適用
企業規模別の推奨アプローチと予算目安
スタートアップ(従業員50名以下)
推奨施策 | 予算目安/月 | 期待効果 |
資金調達PR | 30-50万円 | VCからの認知向上 |
プロダクトローンチPR | 40-60万円 | 初期ユーザー獲得 |
代表者ブランディング | 30-80万円 | 業界内プレゼンス確立 |
中堅企業(従業員50-500名)
推奨施策 | 予算目安/月 | 期待効果 |
継続的メディアリレーション | 50-100万円 | 安定的な露出確保 |
業界特化型PR | 60-120万円 | BtoB認知度向上 |
地域密着型PR | 40-80万円 | 地元での存在感強化 |
大企業(従業員500名以上)
推奨施策 | 予算目安/月 | 期待効果 |
統合型PRプログラム | 100-200万円 | ブランド価値向上 |
グローバルPR | 150-300万円 | 海外市場開拓 |
危機管理体制構築 | 80-150万円 | リスク最小化 |
実際の成功事例から学ぶ
事例1:D2Cコスメブランドの急成長
- 課題:競合ひしめく市場での差別化
- 施策:ユーザー生成コンテンツを活用したSNS連動PR
- 結果:3ヶ月でフォロワー2.5倍、売上前年比180%
事例2:地方自治体の観光PR
- 課題:インバウンド観光客の獲得
- 施策:多言語プレスリリースと海外メディアツアー
- 結果:訪日観光客前年比+18%、宿泊者数+25%
事例3:製造業のESGブランディング
- 課題:BtoB企業の社会的認知度向上
- 施策:サステナビリティレポートのメディア展開
- 結果:日経・ロイター等15媒体掲載、採用応募者数2倍
よくある失敗パターンと回避策
失敗パターン1:KPIが曖昧
- 問題:「とりあえず露出を増やしたい」
- 回避策:ビジネス目標と連動した具体的指標設定
失敗パターン2:一方的な情報発信
- 問題:自社視点のみのプレスリリース乱発
- 回避策:メディア・読者視点でのストーリー開発
失敗パターン3:危機管理の軽視
- 問題:炎上時の対応体制が未整備
- 回避策:平時からのリスクシナリオ策定と訓練
PR施策の効果測定と改善方法

現代的なPR効果測定フレームワーク
従来の「広告換算値」だけでなく、多角的な評価が求められています。
レベル1:アウトプット指標
- メディア掲載数・リーチ数
- SNSインプレッション・エンゲージメント
- ウェブサイトトラフィック
レベル2:アウトカム指標
- ブランド認知度・想起率
- 購買意向・推奨意向
- 採用応募数・問い合わせ数
レベル3:ビジネスインパクト
- 売上・市場シェア
- 株価・企業価値
- 顧客生涯価値(LTV)
予算規模別の測定ツールと手法
低予算(月50万円以下)での測定方法
- Google Alertsでの無料モニタリング
- SNS分析ツールの無料版活用
- Google Analyticsでのトラフィック分析
- 月次簡易レポートでの可視化
中規模予算(月50-150万円)での測定方法
- 有料クリッピングサービスの活用
- ブランド調査(年2回程度)
- CRMとの連携分析
- 四半期詳細レポート
大規模予算(月150万円以上)での測定方法
- 統合PRダッシュボード構築
- リアルタイムモニタリング
- AIを活用した論調分析
- 競合ベンチマーキング
データドリブンな改善サイクル
OODAループの実践
- Observe(観察):データ収集と現状把握
- Orient(方向付け):インサイト抽出
- Decide(意思決定):施策の優先順位付け
- Act(実行):迅速な改善実施
具体的な改善ポイント
- プレスリリースのタイトルABテスト
- 配信タイミングの最適化(曜日・時間帯)
- メディアリストの継続的更新
- コンテンツフォーマットの多様化
まとめ:PR会社選びの次のステップ
本記事の重要ポイント
- PR会社は信頼構築のプロフェッショナル
- 編集記事による第三者評価の獲得
- 長期的なブランド価値向上
- 企業規模・課題に応じた活用が成功の鍵
- 明確なKPI設定
- 適切な予算配分
- 継続的な効果測定
- デジタル時代のPRは進化し続ける
- データ活用の重要性
- グローバル対応の必要性
- 統合的コミュニケーション
今すぐ実行できるアクション
- 自社の広報課題を整理する
- 現状の課題リストアップ
- 優先順位の設定
- PR会社選定の基準を明確化
- 必要なサービス範囲
- 予算規模
- 期待する成果
- 複数社との面談を設定
- 提案内容の比較
- 相性・カルチャーフィット確認
成功するPR活動は、適切なパートナー選びから始まります。本記事で紹介したフレームワークを活用し、自社に最適なPR戦略を構築してください。
よくある質問(FAQ)

Q1: PR会社と広告代理店、どちらを選ぶべき?
A: 目的によって使い分けることが重要です。信頼性や長期的なブランド構築を重視する場合はPR会社、短期的な認知獲得や販促を目的とする場合は広告代理店が適しています。多くの企業では両者を組み合わせた統合マーケティングを実施しています。
Q2: PR会社の料金体系はどうなっている?
A: 主に以下の3つの料金体系があります:
- 月額リテイナー制:月30万円〜300万円(最も一般的)
- プロジェクト制:特定施策に対する一括料金
- 成果報酬制:掲載数等に応じた変動料金(稀)
初期費用として1-3ヶ月分が必要な場合もあります。
Q3: 社内広報チームがいてもPR会社は必要?
A: 社内チームとPR会社は補完関係にあります。社内チームは企業理解と迅速な対応が強み、PR会社はメディアネットワークと専門性が強みです。多くの企業では、戦略立案と重要施策をPR会社と協働し、日常的な広報業務は社内で対応するハイブリッド型を採用しています。
Q4: メディア掲載は保証されますか?
A: 編集権はメディア側にあるため、掲載を100%保証することはできません。ただし、優良なPR会社は過去実績や媒体リストを開示し、現実的な期待値を設定します。掲載保証を謳う会社には注意が必要です。
Q5: PR効果が出るまでどのくらいかかる?
A: 一般的には3-6ヶ月で初期成果が見え始めます。ただし、業界や施策内容により大きく異なります:
- ニュース性の高い発表:1-2週間で掲載
- ブランディングPR:6-12ヶ月で認知度向上
- 危機管理対応:即日〜数日で沈静化
Q6: 小規模企業でもPR会社を活用できる?
A: はい、可能です。最近では月額30万円程度から対応するPR会社も増えています。重要なのは、自社の成長フェーズに合った施策を選ぶことです。スタートアップ特化型のPR会社も存在します。
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