ファクトブックとは何か？

ファクトブックの定義

ファクトブックとは、企業や商品・サービスに関する重要な事実（ファクト）を体系的にまとめた資料です。プレスリリースが「新しい情報を簡潔に伝える」ことを目的とするのに対し、ファクトブックは「企業や商品の背景・歴史・業界動向などを多面的に伝える」ことを目的としています。

ファクトブック作成のメリット

取材機会の創出

単なる商品説明にとどまらず、社会的背景や業界トレンドを盛り込むことで、メディアが取材をしたくなるきっかけをつくります。

社内情報の価値再発見

作成において各部署から情報を集めるため、「社内情報の棚卸し」により、PRする価値のある埋もれていた情報を発掘することができます。

企業の魅力をアピール

メディアアプローチ活動において、まだその企業を知らないメディアはもちろん、伝えきれていない深い情報を、ファクトブック1つあれば伝えることができます。
メディアが記事を執筆する際のファクト情報としても活用いただくことが多いです。

抑えておきたいファクトブック構成要素

3要素を意識した構成

メディアが特集記事を作成する際に重視する「ヒト」「モノ」「エビデンス」の3要素を意識して構成することで、メディアにとって価値の高い資料となります。

ヒト： 経営者や開発者のプロフィール、開発秘話、ユーザー体験談など

モノ： 企業や商品の基本情報、競合との差別化、業界内のポジション、市場トレンドなど

エビデンス： 調査データ、売上・シェア、受賞歴や認証など客観的な裏付Z

メディア向け活用方法

配布タイミング

新商品発表、決算説明、記者会見、展示会時に合わせて提供など、目的に応じたタイミングを選択しましょう。

メディア特性に応じた活用法

メディアの特性を理解した活用戦略が重要です。専門データや市場分析には技術的詳細と市場動向を重視した専門データを充実、社会的背景や人物ストーリーを分かりやすい図表とエピソードで表現、最新データやビジュアル重視を画像・動画で充実、経済誌には業績・戦略・市場分析を財務データと将来展望で構成することで、それぞれのニーズに応えられます。

配布方法

目的とターゲットメディアに応じて、手渡し、メール、プレスキット内に格納、郵送など、最適な配布方法を選択しましょう。

定期的に更新

四半期ごとの定期更新、新商品・サービス発表時、組織変更・人事異動時、業界動向の大きな変化時、競合状況の変化時での更新が必要です。

作成の注意点

情報過多

情報過多により本来伝えたい情報が埋もれてしまうため、優先順位をつけて10〜15ページ程度に収めることをおすすめします。

自社目線にならないこと

自社が伝えたい情報は、「記者・その先の読者にとっては関心のない情報かもしれない」ことを意識しながら、読者目線で情報を構成する。

まとめ

ファクトブックは企業の戦略的PR活動における重要なツールです。適切な作成・活用により、取材機会の創出、メディアとの信頼関係強化、社内の強み発掘など、効率的かつ効果的な広報活動の一助となることでしょう。