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効果的なインフォグラフィックでPR効果を最大化する実践ガイド

企業の複雑な情報を、直感的に伝わるビジュアルで解決 インフォグラフィックス
<制作実績>

ビッグデータや複雑な情報が入り組んだ現代において、インフォグラフィックは視覚的に伝える強力なツールです。本記事では、メディア掲載率向上とエンゲージメント増加を実現するインフォグラフィックの企画から制作、配信まで、実践的な手法を詳しく解説します。

なぜインフォグラフィックがPR活動に効果的なのか 

情報過多時代における視覚コミュニケーションの重要性

PR担当者が直面する最大の課題は、膨大な情報量の中でいかにメディア関係者やステークホルダーに注目してもらうかということです。毎日発信されるプレスリリースやSNSからの情報量は年々増加し、メディア関係者は限られた時間で大量の情報を選別しなければなりません。

このような環境において、インフォグラフィックが注目される理由は明確です。視覚情報は文字情報の約5-60倍の速度で脳に処理され、複雑なデータも3秒以内で概要を把握できます。さらに、視覚的に整理された情報は記憶に定着しやすい特徴もあります

国や各自治体、また、DellやMicrosoftなどグローバル企業がインフォグラフィックを活用しているのもこの優れた情報伝達力を評価してのことです。

特に「興味」「共感」を得られやすく、SNSで共有され話題になりやすいという特性は、現代の広報施策において極めて重要な要素となっています。

PR戦略におけるインフォグラフィックの効果について

複雑な情報の理解促進(わかりやすさの実現) 

「わからない」とその情報やコンテンツから95%以上の人が離脱します。つまり、「わかる」=「伝わる」ことが情報やコンテンツの大前提であることを忘れてはいけません。

インフォグラフィックを活用すれば、企業の事業内容や製品の仕組み、わかりにくい論文の要点、業界動向などの複雑な情報を、ステークホルダーにわかりやすく伝えることができます。特にBtoB企業では、専門的な内容を一般の人にも理解できるように翻訳する役割を果たします。

当社、カーツメディアワークスでは今まで多くの国民に知らせるべき「オリンピック関連」「防衛関連」「ワクチン」「地震・防災」など「誰でもわからなければいけない」情報をインフォグラフィックで表現してきた実績があります。どうすれば「わかりやすくなるのか」「伝わるのか」お悩みの方はお気軽にご相談ください。

メディア掲載率の向上

当社調べでは従来のプレスリリースと比較して、インフォグラフィック付きの資料は掲載率が向上し、記者からの取材依頼も増加することが明らかになっています。これは、記者や編集者が毎日大量の情報を処理する必要がある中で、視覚的に整理された情報が注目されやすく、記事に採用される可能性が高まるためです。

ソーシャルメディアでの拡散力強化 

インフォグラフィックはテキストのみの投稿と比較して、SNSでの共有率が大きく向上します。過去の実績ではエンゲージメント率が平均の200%向上し、リーチ数は5-10倍に拡大したこともあります。これは、視覚的にインパクトのあるコンテンツがSNSプラットフォームで共有されやすい傾向にあるためで、口コミ効果によるリーチ拡大が期待できます。

グローバル戦略における新たな可能性

言葉を超えた訴求と理解を得ることができるインフォグラフィックは、グローバル戦略を実施する企業にとって新たなコミュニケーションツールとして注目されています。文化や言語の壁を越えて情報を伝達できるため、海外展開を進める企業のPR活動において特に有効です。文章量の多いプレスリリース以外の方法で情報発信したい企業にとっても、極めて有効なコンテンツとなります。

PR効果を高めるインフォグラフィックの3つのポイント

効果的なデザインの要素

メッセージ設計 成功するインフォグラフィックの最も重要な要素は、「ワンメッセージ・ワンテーマ」の原則を徹底することです。「何を伝えたいのか?」を明確に1つに絞ることで読者にとってわかりやすくなります。

大項目(テーマ)は必ず1つに絞り、それを補完する中項目、小項目と逆ピラミッド構造で構成を考えましょう。

例えば、「数字で知る◯◯(我が社)」というように採用・応募者にとってその会社が良い会社だ、入りたいと思ってもらうことが大テーマです。中項目は、男女比率や有給取得率、離職率など、小項目は「会社のユニークな福利厚生」などを紹介する、といった構成です。

核心メッセージが明確で測定可能な内容にすることで、読者の記憶に強く残ります。

情報フロー設計

読者の視線の自然な流れを考慮した構成が重要です。一般的にWebページなどはZパターンレイアウトを採用し、左上のタイトルから右上の重要データ、左下の詳細説明、右下の行動喚起へと視線を誘導します。この配置により、読者は無理なく情報を理解できます。

一方、縦型、スライド、見開き型スライドのインフォグラフィックであればスクロールやページを進めるごとに情報の理解を深めていくことが重要です。

色彩設計 

企業や製品・サービスのブランドカラーを基調としながら、情報の重要度に応じて調整します。カラーパレットを意識して、視認性の高い配色を基調として統一感を保ちながら重要な情報を効果的に強調できます。

各グラフの最適化

データの性質に応じて最適なグラフ形式を選択することも重要です。時系列変化には線グラフ、比較データには棒グラフ、構成比には円グラフ、パイチャートを使用するという基本原則に従いながら、読者の理解を促進する表現方法を採用します。

特に大きな数値を表現する際は、「1,000,000」を「100万」に、「2,500,000,000」を「25億」に変換するなど、直感的に理解しやすい形式に調整することも効果的です。

増加率を表現する場合も、単純に「35%」と表示するより「35%UP」と補完してあげるほうがより印象的な表現となります。

戦略的な情報整理と構成設計

効果的な情報収集のフレームワーク

5W1H分析による体系的整理 

情報収集の初期段階では、5W1H(Who、What、When、Where、Why、How)のフレームワークを活用して漏れのない情報構成を実現します。誰が(ターゲット、情報主体)、何を(商品、サービス、現象)、いつ(時期、期間、タイミング)、どこで(場所、範囲、市場)、なぜ(背景、理由、目的)、どのように(方法、手順、プロセス)という視点から情報を整理することで、包括的で説得力のあるコンテンツを構築できます。

信頼性の高い情報源の確保 

PR活動で使用する情報は企業の信頼性に直結するため、正確性の検証が不可欠です。自社調査データ、オープンデータ、公的機関統計データなどの1次情報源を優先的に活用し、学術研究論文、業界団体レポートなど2次情報源は補完的な位置づけで使用します。複数ソースでの事実確認を行い、最新データの取得と著作権・使用許諾の確認も怠らないことが重要です。

ピラミッド構造による情報設計

効果的なインフォグラフィックは、ピラミッド構造に基づいて情報を配置します。最も重要な結論や主張を頂点に置き、それを支える根拠や詳細情報を階層的に配置することで、読者は短時間で核心的な情報を理解できます。

この構造では、核心メッセージを最上位に、それを支える3つの根拠を中間層に、さらに詳細なデータを最下層に配置します。限られたスペースで最大の情報価値を提供するため、本当に必要な情報だけを選別し、優先順位に基づいて配置することが成功の鍵となります。

データストーリーテリングの実装

単なる数値の羅列ではなく、データに基づいた説得力のあるストーリーを構築することで、読者の関心を引きつけ、記憶に残りやすいコンテンツを作成できます。

効果的なアプローチは3幕構成を採用することです。第1幕では現状の課題や疑問を提示して読者の関心を引きつけ、第2幕ではデータに基づく現状分析を多角的な視点から検証し、第3幕では具体的な解決策や提案とともに行動喚起を行います。この流れにより、読者は問題意識から解決策まで自然に導かれ、深い理解と共感を得ることができます。

効率的な制作ワークフローの確立

限られた時間で質の高いインフォグラフィックを制作するためには、効率的なワークフローが不可欠です。過去の制作実績から、構造の再利用、アイコンやイラストの素材ライブラリの構築、デザイン統一のためのスタイルガイドの作成、効率的な確認作業のための社内・社外のレビュープロセスの明確化、修正履歴の適切な管理によるバージョン管理などが重要な要素となります。

当社では、現在までに300を超えるインフォグラフィック実績があり、様々なリスクを把握しています。グラフィックなどは人によって良い悪いが変わり判断基準が曖昧なため、細かい承認フローを作って、余裕のあるスケジュールを作っておくことが何より大切です。

効果的なインフォグラフィック発信

メディア特性を活かした配信最適化

報道機関向け配信戦略 

メディア向けの配信では、記者が記事作成で活用しやすい形式での提供が重要です。プレスリリースへの添付として記事執筆の参考資料として提供し、メディアキットの一部として取材用資料に包含しましょう。また記者発表会などではプレゼンテーション資料としてグラフやフロー図も活用します。その時も「あのグラフを記事で使いたい」という要望に応えられるようにしっかりと準備をしておきましょう。

ソーシャルメディア配信の最適化

各SNSプラットフォームの特性に応じた配信戦略を立てることで、エンゲージメントの向上を図ります。インフォグラフィックをスライドや白書など印刷物として作成した時もグラフやポイントとなる箇所を画像として抜き出し、各SNSに応じて大きさや見出しを変えて投稿しましょう、全体を見せたいときはリンクを貼るか、DLしてもらうためにリード情報を入力してもらうようにしましょう。

X(旧Twitter)

  • 画像サイズ
    1200×675ピクセル(16:9の比率)または 1080×1080ピクセル(1:1の比率)
  • 文字数制限
    280文字以内(無料アカウント)、25,000文字以内(X Premiumアカウント)
  • 最適投稿時間:午前9時~11時、または午後1時~3時
  • その他活発な時間帯:平日の通勤時間帯(午前7時~9時)、昼休み(午後12時~1時)

Facebook

  • 画像サイズ:推奨 1200×630ピクセル(1.91:1の比率)または 1080×1080ピクセル(1:1の比率)
  • 説明文:上限63,206文字。数行で「続きを読む」と省略されるため、冒頭でユーザーの興味を引く簡潔で魅力的な内容が推奨
  • 最適投稿時間:通勤時間帯(午前7時~9時)、昼休み(午後12時~13時)、夜のリラックスタイム(午後8時~10時)

LinkedIn

  • 画像サイズ
    1200×627ピクセル(1.91:1の比率)または 1080×1350ピクセル(4:5の比率まで対応)
  • 説明文:文字数制限は3,000文字。ビジネス価値を強調した専門的な内容が推奨されます
  • 最適投稿時間:午前10時~12時(特に火曜日~木曜日)

Instagram

  • フィード投稿画像サイズ:
    • ポートレート(推奨):1080×1350ピクセル(4:5の比率)
    • リール:1080×1920ピクセル(9:16の比率)
    • ストーリーズ:1080×1920ピクセル(9:16の比率)
  • 最適投稿時間:朝(午前7時~9時)、昼休み(午後12時~13時)、夜(午後7時~10時)

これらの最適化により、各プラットフォームで見込み客やメディア、ステークホルダーからの高いエンゲージメントを獲得し、ブランド認知度とリーチの向上を狙っていきましょう。

インフォグラフィックの成功事例

大学私立「広報型インフォグラフィック」事例
https://www.bgu.ac.jp/business/news/post_27

国立医療研究機関「啓発型インフォグラフィック」事例
https://amr.ncgm.go.jp/infographics/movie.html

行政機関「求人促進型インフォグラフィック」事例
http://www.mod.go.jp/j/publication/book/index.html#pamphlet

まとめ:インフォグラフィックPRの成功への道筋

インフォグラフィックを活用することは、「ターゲット」をよく知り、情報を磨くことにつながります。何を伝えれば良いか、余計なことはないか?シンプルな構造でなければ、ターゲットはスルーし、記憶にも残してくれません。

高いクオリティのインフォグラフィックを制作できるクリエイターは実は国内にも海外にも不足しています。そのため、信頼のおけるパートナー選びが最も重要なことだといえるでしょう。

当社、カーツメディアワークスは日本にインフォグラフィックの概念がほぼない時代から地道に制作を積み重ねてきました。各省庁、自治体やグローバル企業の実績が何よりも当社の財産となっています。インフォグラフィックにお困りなら何でもお気軽にご相談ください。

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著者

株式会社カーツメディアワークス
PR事業部 戦略PR局執行役員

森山 稚夏

実績

  • コスメブランドの広報戦略・施策実行
  • 国内BtoB上場企業の広報戦略支援/記者発表会 企画・運営
  • 有名飲食チェーンの広報戦略・施策実行
    等多数 
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