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カスタマーの信頼を得るための8つのポイント(後編)

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⑤一貫性のあるコミュニケーションを

カスタマーと企業の好ましいリレーションシップにおいて重要なことのひとつは、一貫したコミュニケーションです。企業側が気をつけたいのは、ぼんやりとカスタマーからのアクションを待つのではなく、むしろメールや電話で彼らに積極的にメッセージを送ること。さらに、カスタマーとの合意形成における期待値を設定しておくことが大切です。例えば、往々にしてカスタマーは自分の問い合わせに対して数時間以内での回答すべきと考えているわけではない、といったことを把握しておくのです。

一方で、企業側が応答時間において上記のような期待値をまったく設定していないと対応にムラが出ることとなり、カスタマーの企業に対する信用度は急速に低下していきます。カスタマーとの一貫したコミュニケーションを維持することで、期待以上の価値を提供できるチャンスを獲得できるのです。

⑥きちんと体制を整える

企業はカスタマーがコンタクトするための方法をきちんと用意しておくべきです。これはオンラインチャットの機能や電話番号のようなさまざまなコミュニケーション・チャネルを用いて行えます。こういったものは多いに越したことはないと信じ、さまざまなチャネルを用意しようとする企業も少なくないでしょう。しかしながら、たいていの物事と同じように、量よりも質であることを忘れてはいけません。

カスタマーが企業にメッセージを送ろうとしてソーシャルメディアやウェブフォーム、あるいはメールを使ってコンタクトしたとしましょう。ところが、適切なタイミングで回答が得られなければ、彼らは不満を募らせるだけです。つまり、カスタマーと一貫した確実なコミュニケーションを行えるように、コミュニケーション・チャネルのすべてを定期的にモニタリングするにあたって、企業側はマンパワーを割くことにフォーカスすべきです。

⑦フィードバックを推奨する

あらゆるビジネスで共通して言えるのは、それが良いものであれ悪いものであれ、カスタマーエクスペリエンスについてのフィードバックを提供してもらえるよう、カスタマーに働きかけを行うべきでしょう。企業としてネガティブなレビューに賢明かつ適切なやり方で対応できることを示せれば、見込み客も同様のエクスペリエンスを期待できると感じて安心するでしょう。ちょっとしたミステイク自体が問題なのではなく、それにどう対応するかがキーになるのです。

⑧パーソナライゼーションを心がける

電話で世間話をする時間がある人はそれほど多くないでしょうが、カスタマーが電話の向こうで快適に感じられるように配慮することは大切です。そうするためには、コールセンターではカスタマー対応マニュアルを捨てて、いま話している電話の向こうの相手がどういった人物なのかを本当に知ろうとしなければなりません。

このようなパーソナライゼーションの取り組みとして企業が取り入れたい実践としては、カスタマーの名前を呼びかけたり、彼(彼女)らの履歴について知りうる限り情報を集めて対応したりする、といったことがあります。最近ではこういったパーソナライゼーションをサポートしてくれるテクノロジーもありますので、積極的に導入してみてはいかがでしょうか。

理想としては、カスタマーが企業にコンタクトをした際、企業側では彼らが解決すべき問題を抱えていることをきちんと把握し、名前を呼びかけながらパーソナライズされたメニューを提供しつつ、すでに情報を入手してサポート体制を整えた担当者に電話をつなぐといった流れになるでしょう。こうすることで、よくある遅々としてかみ合わない会話が続いてしまい、カスタマーが何度も問題を繰り返し説明しなければならずイライラする、といったことを回避できるようになります。

最後に

信頼を築くというのはそれほど難しいことではありませんが、それを維持するというのは容易いことではありません。実際にはちょっとの時間や努力、カスタマーへの投資が求められるにすぎませんが、そういった適切なコミットメントがないと、カスタマーからの信頼はいとも簡単に失われてしまいます。

今日のカスタマーはカスタマーサービスやエクスペリエンスでがっかりしたことがあると、依然としてクレームを上げる傾向にありますが、これは単純に好ましくないこと、とは言えません。ネガティブなフィードバックを逆に利用して適切に対応できれば、カスタマーの記憶に残る企業になるための好機とできるのです。ここでご紹介した8つのポイントを手始めに、長期にわたるカスタマー・リテンションを構築していきましょう。

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著者

株式会社カーツメディアワークス
PR事業部 戦略PR局リーダー

山根 龍

実績

  • 大手グローバルIT企業のマーケティング戦略
  • 大手グローバル化学メーカーの広報戦略
  • 国内メディアの海外インフルエンサー施策
    等多数
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