開業後でも話題化を実現!空港直結施設が海外メディア露出を獲得したプレスツアーPR成功事例

概要
本事例は、空港直結の大型複合施設が、開業から数か月経過した後でも海外メディア露出を実現したPR戦略の成功例である。
同施設は、開業当初こそ注目を集めたが、3か月が経過し、国内外での話題は一巡。そんな中、在日海外メディアを対象に、施設の魅力を改めて発信するプレスツアーを企画した。
ツアーでは、館内の人気レストランでの試食、ホテルの試泊、スパ利用など、施設を代表する体験をすべて盛り込むことで、取材したくなる“フック”を多数用意。結果として、ターゲットとしていた海外メディアが参加し、多言語での記事掲載を獲得。開業から時間が経っても、新たな切り口で話題化に成功した。
課題
施設PRにおいて、開業時は最も露出が集中するタイミングである。しかし、オープンから3か月以上が経過すると、ニュースとしての鮮度が落ち、メディアに取り上げられる可能性は低下する。今回の施設も同様に、開業当初は多くの報道を獲得したものの、その後は露出が減少していた。
特に、海外メディアにとっては、すでに現地や他メディアで紹介済みの情報を再び記事化するインセンティブが少ない。新しい要素やニュースバリューがなければ、取材や掲載に至らないというハードルがあった。
加えて、対象となる在日海外メディアは数が限られ、アプローチ方法やタイミングを誤ると、参加者数や掲載数が期待を下回るリスクもあった。
ソリューション
課題解決のため、企画の方向性は「総合体験型のプレスツアー」に定めた。単なる施設案内ではなく、海外メディアが記事にしたくなる具体的な体験を網羅的に盛り込むことで、取材意欲を高める戦略だ。
まず、施設の魅力を最大限に伝えるため、館内のおすすめレストランでの試食体験を設定。シェフによる料理説明や、外国人観光客にも人気のメニューを中心に構成し、記事映えする写真素材が得られるよう配慮した。
次に、併設ホテルでの試泊を組み込み、客室の快適さや眺望、館内アクセスの利便性を体験してもらった。さらに、スパやフィットネスなどのリラクゼーション施設も利用可能とし、「空港直結で一泊二日の癒し」という滞在型コンテンツとしての魅力を訴求。
ツアーの進行は、体験ごとに担当スタッフや責任者が直接説明する形をとり、現場感のある取材素材を提供。また、海外メディアが必要とする英語・中国語での取材サポートを事前に手配し、スムーズな記事制作環境を整えた。
これにより、「開業から数か月経過した施設」という既視感を払拭し、体験記事や旅行記として新たに取り上げてもらえる切り口を創出した。
結果・成果
プレスツアーにはターゲットとしていた在日海外メディアに参加いただくことができ、その後、英語や中国語で10本の記事掲載を獲得。各記事では、施設の利便性や滞在体験の魅力が写真付きで紹介され、外国人観光客やビジネス渡航者への訴求に成功した。
特に、食事・宿泊・リラクゼーションを一度に体験できる構成は、海外読者にとって新鮮かつ実用的な情報として評価され、旅行ガイド系メディアや生活情報誌にも転載される二次的効果も生まれた。
また、開業後という不利なタイミングでも露出を確保できたことは、施設PRの柔軟性を示す好例となった。
この事例は、「話題性が低下したタイミングでも、体験価値の再編集とターゲット特化型アプローチでメディア露出を実現できる」ことを証明している。特に、海外メディア誘致では、単なる説明よりも五感を使った総合体験が記事化率を高める有効な手法となる。
著者
